その他の寸法表示方法
このページでは、少し特殊な場合の寸法の表示方法について掲載しています。すべてを覚える必要はありませんが、覚えておくといざというときに結構使えます。
薄肉部の表し方
薄肉部の断面を極太線で示した図形に寸法を記入する場合には、極太線に沿って、板の内側寸法、または板の外側寸法になるように短い細い実線を描き、これに寸法線の端末記号を当てます。
内側を示す寸法には、寸法数値の前に”int”を表示して分かりやすくすることもできます。
製缶品の形体が徐々に増加、減少させて(徐変する寸法という)、ある寸法になるように指示する必要がある場合には、対称とする形体から引出線を引き出し、参照線の上側に”徐変する寸法”と指示します。
加工・処理範囲の表示
加工や表面処理などの範囲を限定する場合には、太い一点鎖線を用いて位置と範囲の寸法を記入し、要求事項を指定することができます。

非剛性部品の寸法
非剛性部品とは、自由状態で図面上の寸法公差、幾何公差を超えて変形する部品のことで、自由状態とは、重力だけを受けた部品の状態です。
非剛性部品の図面には、下記のうち適切なものを指示します。
- 表題欄の中、またはその付近に、”JIS B 0026-ISO 10579-NR”。
- 注記で、図面要求に合致させるために部品が拘束される状態。
- JIS B 0021 によって、公差記入枠内に記号
を付記して、自由状態で許容される幾何偏差。
非比例寸法
一部の図形がその寸法数値に比例しない場合には、その寸法数値に太い実線の下線を引きます。ただし、一部を切断省略したときなどの寸法は、この下線は引きません。
同一形状の寸法
T形管継手、コックなどのフランジのように、1個の製品に同一寸法の部分が2つ以上ある場合には、寸法はそのうちの1つだけに記入し、寸法を記入しない部分には同一寸法であることの注意書きをします。
参考・関連規格
- JIS B 0001:2010 機械製図
- JIS Z 8317-1:2008 製図-寸法及び公差の記入方法-第1部:一般原則