線の太さと種類

製図で使用する線をすべて同じ太さの実線にしてしまうと、どれが製品を表す線で、どれが寸法を表す線なのかわかりにくくなり、誤解を招く原因となります。また、外形線なのかかくれ線なのかもわからなくなります。

こんなことが起こらないようにJIS規格では、線の太さと種類の組み合わせによって何を表す線なのかを決めています。

JIS規格のすべてを覚える必要はありませんが、図面を描くときの最低限のルールとして以下のことは守るように心掛けましょう。


線の太さの注意点

製品を表す外形線は太い実線、寸法を表す寸法線や寸法補助線は細い実線で描かなければならないはずが、すべての線が同じ太さで描かれている図面が非常に多いように感じます。CADソフトでの線種を変更しないで描いているのか、線種設定や印刷設定の問題なのか、または図面を縮小コピーしたことで区別がつかなくなったのかなど、原因はいろいろと考えられます。そもそも線の太さを変えなければならないことを知らないという人もいるかもしれません。

外形線なのか寸法線や寸法補助線なのかがわからないと、全体の形状さえも把握できないこともあります。このような図面は、設計者への問い合わせや不具合の発生など損失を生み出すリスクの高い図面となってしまいます。

太い線と細い線の比率は2:1以上にしなければいけないので、区別できるのかどうか印刷したら必ず確認しましょう。

線の太さ

線の太さの基準は0.13mm、0.18mm、0.25mm、0.35mm、0.5mm、0.7mm、1ミリ、1.4mm及び2mmとなっていますが、CADソフトによっては、線の太さを細かく設定できない場合もありますので、あまり気にする必要はないと思います。ただし、線の太さは太線と細線の二種類を用いて描きますが、その比を2:1以上にしないと印刷したときに区別がつかなくなってしまいますので注意しましょう。

また、必要に応じて極太線を用いることができ、その太さは太線の2倍とします。必要がなければ使用しなくても問題ありません。

※ISO 128では細線と太線だけを規定しています。

線の種類と用途

用途による名称線の種類線の用途
外形線太い実線太い実線対象物の見える部分の形状を表すのに用いる。
寸法線細い実線細い実線寸法記入に用いる。
寸法補助線寸法を記入するために図形から引き出すのに用いる。
引出線・参照線記述・記号などを示すために引出すのに用いる。
回転断面線図形内にその部分の切り口を90°回転して表すのに用いる。
中心線図形に中心線を簡素化して表すのに用いる。
水準面線水面、液面などの位置を表すのに用いる。
かくれ線細い破線、または太い破線破線対象物の見えない部分の形状を表すのに用いる。
ミシン目線跳び破線跳び破線布、皮、シート材の縫い目を表すのに用いる。
連結線点線点線制御機器の内部リンク、開閉機器の連動動作などを表すのに用いる。
中心線細い一点鎖線細い一点鎖線
  • 図形の中心を表すのに用いる。
  • 中心が移動する中心軌跡を表すのに用いる。
基準線特に位置決定のよりどころであることを明示するのに用いる。
ピッチ線繰り返し図形のピッチをとる基準を表すのに用いる。
特殊指定線太い一点鎖線太い一点鎖線特殊な加工を施す部分など特別な要求事項を適用すべき範囲を表すのに用いる。
想像線細い二点鎖線細い二点鎖線
  • 隣接部分を参考に表すのに用いる。
  • 工具、ジグなどの位置を参考に示すのに用いる。
  • 可動部分を、移動中に特定の位置又は移動の限界の位置で表すのに用いる。
  • 加工前又は加工後の形状を表すのに用いる。
  • 繰り返しを示すのに用いる。
  • 図示された断面の手前にある部分を表すのに用いる。
重心線断面の重心を連ねた線を表すのに用いる。
光軸線レンズを通過する光軸を示す線を表すのに用いる。
パイプライン
配線
囲い込み線
一点短鎖線一点短鎖線水、油、蒸気、上・下水道などの配管経路を表すのに用いる。
二点短鎖線二点短鎖線
三点短鎖線三点短鎖線
一点長鎖線一点長鎖線水、油、蒸気、電源部、増幅部などを区別するのに、線で囲い込んで、ある機能を示すのに用いる。
二点長鎖線二点長鎖線
三点長鎖線三点長鎖線
一点二短鎖線一点二短鎖線
二点二短鎖線二点二短鎖線水、油、蒸気などの配管経路を表すのに用いる。
三点二短鎖線三点二短鎖線
破断線不規則な波形の細い実線、またはジグザグ線不規則な波形の細い実線、ジグザグ線対象物の一部を破った境界、又は一部を取り去った境界を表すのに用いる。
切断線細い一点鎖線で、端部及び方向の変わる部分を太くした線切断線断面図を描く場合、その断面位置を対応する図に表すのに用いる。
ハンチング細い実線で規則的に並べたものハッチング図形の限定された特定の部分を他の部分と区別するのに用いる。例えば、断面図の切り口を示す。
特殊な用途の線細い実線細い実線
  • 外形線及びかくれ線の延長を表すのに用いる。
  • 平面であることをX字状の2本の線で示すのに用いる。
  • 位置を明示又は説明するのに用いる。
極太の実線極太実線圧延鋼板、ガラスなどの薄肉部の単線図示をするのに用いる。

線の優先順位

図面で2種類以上の線が同じ場所に重なる場合には、下記の順位に従って、優先する種類の線で描きます。CADで描く場合で、重なる線に外形線が含まれている場合は外形線しか見えなくなるので問題ありませんが、外形線が含まれていない場合は、いろんな線が重なると何を示す線なのかわからなくなるので注意が必要です。

  1. 外形線
  2. かくれ線
  3. 切断線
  4. 中心線
  5. 重心線
  6. 寸法補助線
参考・関連規格

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