普通幾何公差
普通幾何公差を用いる場合は、表題欄または表題欄付近に、用いる規格と公差等級を指示します。
例:「JIS B 0419 K」など
独自の普通幾何公差を用いる場合は、図中または別紙に公差表を記載します。別紙にする場合は、その別紙の公差表を用いることを図中に明記する必要があります。
真直度・平面度
- 真直度と平面度の普通公差は、下記表による。
- この表を使用する場合は、真直度は該当する線の長さを、平面度は、長方形の場合には長い方の辺の長さを、円形の場合には直径を基準とする。
公差等級 | 呼び長さの区分 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
10以下 | 10を超え 30以下 | 30を超え 100以下 | 100を超え 300以下 | 300を超え 1000以下 | 1000を超え 3000以下 | |
H | 0.02 | 0.05 | 0.1 | 0.2 | 0.3 | 0.4 |
K | 0.05 | 0.1 | 0.2 | 0.4 | 0.6 | 0.8 |
L | 0.1 | 0.2 | 0.4 | 0.8 | 1.2 | 1.6 |
真円度
真円度の普通公差は、直径の寸法公差の値となる。ただし、半径方向の円周振れ公差の値を超えてはならない。
円筒度
円筒度の普通公差は、規定しない。
平行度
- 平行度の普通公差は、寸法公差と平面度公差・真直度公差とのいずれか大きい方の値に等しくとる。
- 二つの形体のうち長い方をデータムとする。
- それらの形体が等しい呼び長さの場合には、いずれの形体をデータムとしてもよい。
直角度
- 直角度の普通公差は、下記表による。
- 直角を形成する二辺のうち長い方の辺をデータムとする。
- 二つの辺が等しい呼び長さの場合には、いずれの辺をデータムとしてもよい。
公差等級 | 呼び長さの区分 | |||
---|---|---|---|---|
100以下 | 100を超え 300以下 | 300を超え 1000以下 | 1000を超え 3000以下 | |
H | 0.2 | 0.3 | 0.4 | 0.5 |
K | 0.4 | 0.6 | 0.8 | 1 |
L | 0.6 | 1 | 1.5 | 2 |
対称度
- 対称度の普通公差は、下記表による。
- 二つの形体のうち長い方をデータムとする。
- これらの形体が等しい呼び長さの場合には、いずれの形体をデータムとしてもよい。
公差等級 | 呼び長さの区分 | |||
---|---|---|---|---|
100以下 | 100を超え 300以下 | 300を超え 1000以下 | 1000を超え 3000以下 | |
H | 0.5 | |||
K | 0.6 | 0.8 | 1 | |
L | 0.6 | 1 | 1.5 | 2 |
同軸度
同軸度の普通公差は、規定しない。
円周振れ
- 円周振れの普通公差は、下記表による。
- 図面上に支持面が指定されている場合には、その面をデータムとする。
- 支持面が指定されていない場合には、半径方向に円周振れに対して、二つの形体のうち長い方をデータムとする。
- 二つの形体の呼び長さが等しい場合には、いずれの形体をデータムとしてもよい。
公差等級 | 円周振れ公差 |
---|---|
H | 0.1 |
K | 0.2 |
L | 0.5 |
参考・関連規格
- JIS B 0419:1991 普通公差-第2部:個々に公差の指示がない形体に対する幾何公差